第28回演奏会

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日程:2013年1月12日(土) 17:15開場 18:00開演
会場:習志野文化ホール
指揮:金子 建志
演目:

  • ワーグナー 歌劇「リエンツィ」序曲
  • ラフマニノフ 交響詩「死の島」
  • プロコフィエフ 交響曲第六番

 

プログラム紹介

ワーグナー 歌劇《リエンツィ》序曲

2013年に生誕200周年を迎える、リヒャルト・ワーグナー。ワーグナーこそ、クラシック音楽のみならず総ての芸術の歴史を顧みた時に、世の中に最も強い影響を与えた芸術家の一人であると言って良いだろう。《リエンツィ》は、そのワーグナーが独自の様式を確立する前の時期に作曲された。いわば、ワーグナーが、まだ「ワーグナー」になる前の作品である。歌劇《リエンツィ》序曲は、荘厳な導入に始まり、波乱万丈の展開を経て、そして怒涛のクライマックスへと至る。若々しさと情熱に溢れ、後年のワーグナーの作品とはまた違う独自の魅力を持つ《リエンツィ》序曲。ワーグナー生誕200年の記念の年の幕開けに相応しい一曲である。

ラフマニノフ 交響詩《死の島》

ピアノ協奏曲第二番の大成功によって交響曲第一番の初演の失敗を払拭したラフマニノフ。ここからラフマニノフの快進撃が始まる。交響曲第二番は大成功。その勢いのもと、ラフマニノフは一枚の絵からイメージを膨らませ、一曲の交響詩を書き上げる。それが、この《死の島》である。音楽は、絶えず不安にうねり続ける。まるで、波の上の小舟のように。聞こえてくるグレゴリオ聖歌《怒りの日》のモチーフ。交響曲第二番よりも大きな編成。自由自在にキャンパスの上で絵筆を動かすラフマニノフ。何の制約もなく自由なイメージで作曲したこの作品には、ラフマニノフの音楽のエッセンスが凝縮されている。短いながらも、ラフマニノフ好きには聞き逃せない、珠玉の一編である。

プロコフィエフ 交響曲第六番

プロコフィエフにとって交響曲は決して創作の中心では無かったが、交響曲第五番の大成功を受け、プロコフィエフは交響曲の作曲に創作力を注ぎ込む。そうして完成された交響曲第六番は、決して明快では無いが、しかしプロコフィエフの創作力の頂点として位置付けられる大傑作となった。三楽章形式。不安にまみれた第一楽章は第二次世界大戦の戦禍を悼むのか。黄泉の世界を下るかのような第二楽章。そこにあるのはもはや善と悪の対立では無い。そして第三楽章。明るく快活に進む音楽は突如暗転し、唐突に全曲は終わる。 ベートーヴェン以来の、「苦悩から歓喜へ」という交響曲の定型から背を向けたとも思えるプロコフィエフの交響曲第六番。そこにプロコフィエフが込めたものは何か。重要ではあるが、決して演奏されることが多いとはいえないこの作品に、ついに金子建志と千葉フィルが挑む。聞き逃すことが出来ない演奏会となろう。

タグ: ワーグナー, プロコフィエフ, ラフマニノフ

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