3 / 4
第3楽章 Andante elegiaco
これぞ「ロシア」な楽曲。素朴な木管楽器による導入に続き、ファゴットとホルンによる抑圧された主題⑦。同じ主題をオーボエが受け継ぐと、いきなりチャイコフスキーありがとうタイム。だがそれも一瞬で、再び抑圧。

場面が変わり弦楽器を中心に息の長い主題⑧を奏でる。フェルマータのあと、余韻を楽しんだのち、抑圧のテーマが色彩の変化を伴って再現。やがて甘美な音楽と融合してくると、抑圧なのか甘美なのか分からなくなってくる。そしてクライマックスへ。

エンディングの前にちょっとしたドラマが。弦楽器の刻みにより夕景から夜へ。この突然の「湖」感に戸惑うかもしれないが、とりあえず身を浸してみよう。すると冒頭のファゴットとホルンが戻ってくるが、最後は安らかに終わる。
第4楽章 Scherzo: Allegro vivo
『くるみ割り人形』のような精巧な人形劇を見るようなスケルツォ。静かな、しかし速い音楽におけるチャイコフスキーの見本市のような楽曲だ。速いテンポで各楽器が巧みに絡み合うので、演奏する側は頭はクリアに、しかし感情をこめてと、難しいスキルが要求される。ここは全体を俯瞰して、ガラス細工のような音楽を楽しんでほしい。トリオでは、Dの音が持続的に流れ、最終的に弦楽器によるD-durの分散和音のほとばしり⑨へと至る。
