第74回演奏会 - 2026年2月15日(日) 14:00開演 会場:かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール・指揮:長田 雅人
演目:R.コルサコフ/序曲「ロシアの復活祭」、ストラヴィンスキー/組曲「火の鳥」(1945年版)、チャイコフスキー/交響曲第3番ニ長調「ポーランド」

アーカイブ

チャイコフスキー 交響曲第3番 ニ長調

tchaikovsky チャイコフスキーの交響曲第3番は、4番以降の交響曲作品と比較して演奏頻度は少なく、千葉フィルでも4番以降をいずれも再演しているのに対し、3番はこれが初だ。とはいえ、チャイコフスキーの多くの傑作が生みだされた時期と重なり、音楽的魅力が詰まっている。ただ、詰まっているというよりあふれている、あるいは若干とっ散らかっているともいえる感じがあるのも事実で、後年のドラマチックな構造物を期待すると面食らう。

続きを読む

ストラヴィンスキー 組曲〈火の鳥〉 (1945年版)

stravinsky 千葉フィルが〈火の鳥〉全曲版を演奏したのは、この作品が完成してから100年。2010年のことだ。それから16年、再び〈火の鳥〉に向き合うことになったが、今回は1945年版の組曲である。

続きを読む

金子建志氏の第10回記念演奏会に寄せたマーラー 交響曲第9番解説

本稿は、1995年1月開催の千葉フィルハーモニー管弦楽団「第10回記念演奏会」のプログラムに掲載された曲目解説です。

mahler thumb 240px〈9番〉は決して取っ付き易い曲ではないが、〈7番〉や〈8番〉みたいな形で聴き手を当惑させることはないような気がする。筆者が〈9番〉を初めて聴いたのは70年のバーンスタイン=ニューヨークフィルの実演だが、その時点でマーラーに対する知識はお話にならないほど乏しかったにもかかわらず「別れ」と「死」を表現しようとした曲だということは理解できた。別れの気分に始まり、壮絶な戦いを経て、諦めの中に死を容認する―というのが全体の筋道なのだが、その中になんと多くの要素が詰まっていることか。

続きを読む

ラヴェル  管弦楽のための舞踏詩《ラ・ヴァルス》

ravel 1923 360pxお蔵入りとなったディアギレフとの共同作業

ラヴェルがバレエ・リュスを主催するディアギレフの依頼に応じて作った作品だが、ディアギレフは気に入らず、バレエ・リュスでの上演はお蔵入り。そこで、ラヴェルは独立したオーケストラ曲として発表する。初演は1920年の秋のこと。すでに第一次世界大戦は終結し志願兵として従軍していたラヴェルの兵役もすでに終了していた。

続きを読む

ブラームス 交響曲第2番 ニ長調 作品73

brahms 360pxブラームスが交響曲第1番を完成するまで長い年月を要したことは有名。完成したのは1876年、43歳の時だった。

原因はベートーヴェン。ハイドンの104曲からモーツァルトが41曲と半減するのは、77年対35年という生涯とリンクしているが、御承知のようにベートーヴェンは9曲しか書かなかった。同じような曲を書くのを嫌ったからで、多少似ているのは第1番と第2番ぐらい。

続きを読む

ドヴォルザーク スケルツォ・カプリチオーソ

dvorak 360px交響曲第6番と7番の中間にあたる1883年(43歳)に作曲。同年5月16日、アドルフ・チェフの指揮によりプラハで初演された。既に交響曲的な構成と、民族音楽的な素材の融合を自家薬籠中の物としていた時期の作品だけに、チェコ的な素材が充実した交響詩のように散りばめられている。スケルツォもカプリチオーソも、自在な遊びの意味を含んだ言葉だが、そのタイトルどおりの小品と言えよう。

続きを読む

リムスキー=コルサコフ 序曲〈ロシアの復活祭〉

rimsky corsakov本作品は、リムスキー=コルサコフの絶頂期と言える1888年に作曲された。この時期、代表作である〈スペイン奇想曲〉や〈シェヘラザード〉を相次いで作曲しており、この作品はこうした管弦楽作品のひとつのピリオドとなる。というのは、そのあとワグナーの楽劇に出会い、オペラへと没頭することになるからだ。そうしたピリオド的作品であると言っても、その内容はロシア正教の讃美歌をベースとしたある意味素朴で、異教的な祝祭気分に満ちた親しみやすい序曲だ。

続きを読む

マーラー 交響曲第9番 ニ長調

mahler 1909 320px令和のマーラー

マーラーをめぐるトピックで、最新の事柄といえばブライトコプフ社が新校訂によるスコアの出版を開始した、ということであろうか。つい先日、ブライトコプフ社の代表が、今年になって出版された交響曲第5番について語るという機会があって出かけて行ったのだが、その内容は驚くべきものであった。

続きを読む

金子建志氏のマーラー 交響曲第9番解説 「マーラー記号論」

本稿は、2010年8月開催の千葉フィルハーモニー管弦楽団「第22回サマーコンサート」のプログラムに掲載された曲目解説を再編集したものです。

vn photo 360pxヴァイオリンの対向配置

モーツァルトがマンハイムを訪れた際に書いた手紙に、当時、最高のオーケストラだった同地の宮廷楽団の規模の大きさと充実ぶりを絶賛した文章が見られるのだが、その中に「第1ヴァイオリンが左(下手)、第2ヴァイオリンが右」という配置に関しての記述がある。このヴァイオリンを指揮者の両翼に向かい合う形で置く対向配置は、その後も各地で、ほぼ基本的なフォーマットとして継承されてきた。

続きを読む

コダーイ ハンガリー民謡「孔雀は飛んだ」による変奏曲

kodaly 360pxアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団創立50周年記念委嘱作品。1938~39年に作曲され、39年11月23日にウィレム・メンゲルベルク指揮、コンセルトヘボウ管弦楽団により初演された。ハンガリ一民謡「くじゃくは飛んだ」は、かつてオスマン帝国の支配下に置かれたマジャール人を囚人になぞらえ、彼らの自由への情熱を歌ったものである(この状況を「鎖なき囚人」と呼んでいた)。これはまた、作曲当時に勢力を強めていたファシズムに対して、自由と人間性の擁護を訴えることを意味していた。

続きを読む

マーラー  交響曲第7番 ホ短調 《夜の歌》

mahler 1909 320px〈6番〉の翌年1905年、45歳の時に完成。〈大地の歌〉を完成した08年(48歳)、プラハでマーラー自身の指揮により初演された。

〈6番〉で古典的な4楽章形式に挑戦したマーラーは、最も得意とする5楽章形式に戻している。調性的には第1楽章から第4楽章までが短調、第5楽章で長調に陽転するという“暗→明”の図式が特徴だが、第2・第4楽章に「ナハトムジーク・夜の歌」と題した楽章を置いたのが新機軸で、それを印象づけるべく第4楽章にはマンドリンとギターを使用。オーケストレーションは更に色彩的になり、第1楽章では新たな楽器、テナー・ホルンをソロ楽器として用いている。

続きを読む

関連記事