ショスタコーヴィチ  交響曲第12番 ニ短調 作品112

dsch12 fig5

 

第2楽章─《ラズリーフ》 嬰ヘ短調 4/4拍子

ラズリーフは「氾濫」の意味だが、ペトログラード北部の湖の名称でもあり、そこに籠もったレーニンが革命の計画を練ったとされる。それを表わす第1主題 ⑥ や、レーニン ④ を変容させた ⑦ で指導動機に肉付けされ、ホルン等が重なる ⑧ を経て緊張感が増す。思念的なファゴットのソロ、⑥ を繰り返すクラリネットの長大なモノローグを経て、フルート+クラによる ⑨aに進むと、一段とテンションが高揚。伴奏のピチカートがトレモロに変わると、トロンボーンが ⑧ によるレチタティーヴォ的なモノローグで頂点を築く。低弦による ⑧ が静かなブリッジとなり、次楽章に。

dsch12 fig6

dsch12 fig7

dsch12 fig8

dsch12 fig9a

第3楽章─《アウローラ》 ハ長調 2/2・3/2拍子

「アウローラ」は空砲によって革命の合図を送った巡洋艦の名。この「アウローラ」は最初、ピチカート ⑨b とティンパニによって静かに始まるが、金管によって一旦盛り上がった後、トロンボーン+チューバによるレーニン ④ が潜伏期を終えたことを暗示。打楽器群が砲撃的にリズムを強打する ⑨c によって砲火の轟く凄絶な頂点が築かれた後、そのままフィナーレに雪崩こむ。

dsch12 fig9b

dsch12 fig9c

 

タグ: ショスタコーヴィチ

関連記事